今週日銀の金融政策決定会合が開かれます。
注目は昨年末実質利上げと報じられた10年金利のバンドを広げるのか、撤廃するのかというところです。あるいは、変更しないのか。
ただ世の中では昨年末の変更を実質利上げと報じていますが、実際にはこれによる影響はまだ限定的です。
長期金利に連動しているのは主に、新規に組まれる、固定型の住宅ローンの金利が上がるということでしょう。
変動金利型の住宅ローンは、短期金利に連動する形で設定されますし、企業も設備投資などの長期借入れ以外の大部分の借り入れ金利も短期金利に連動するものであり、多少年末の日銀の調整により短期金利も上昇しているものの現状では影響は軽微であると言えます。
問題は今後の日銀の対応です。間違いなく異次元金融緩和政策は転換していく事になるでしょう。マイナス金利政策は変更することになり、短期金利は上昇していきます。
そうなったとき、住宅ローン金利は当然上昇、企業の借入金利も上昇します。これが景気が上昇局面であり、給与も上昇している状況であるなら良いのですが・・・・・・
昨年の世界的な利上げ合戦の影響で景気後退に入る可能性が高い中での、金利上げ。
日本の大部分を占める中小企業にとって、景気が後退していく中での、借入金利上昇。
一部大手は賃上げ実施を行う予定もあるようですが、大部分の中小企業にとって借り入れコストが上昇、しかも景気後退のなかで賃上げは可能なのか。
賃上げの無いなかで、個人は住宅ローン金利が上昇、さらに食品はじめ生活物資は今後さらなる値上げが予定され、生活を圧迫。
日銀はこの状況下でマイナス金利解除に踏み切ることができるのか、長年の異次元の金融政策のつけがとうとう回ってきたということでしょう。
いずれにしても、4月に就任する日銀新総裁はいばらの道、というより黒田総裁の尻拭いはそう簡単なことではないことははっきりしています。
どうする日銀。