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予想以上に根深いインフレ圧力

昨夜、米国の消費者物価指数が発表されました。インフレピークアウトが予想される中、まさかの予想を上回り、伸びを加速している現実を突きつけられる形となりました。

ここまでの、FRBによる過去例のない大幅な連続利上げの効果が見られず、マーケットはサプライズ反応、株は今年最大の下げとなりました。ドル円もいったん天井を付けたのかと思わせる動きをしていたところから、再び一気に145円近くまでの円安となっています。

急激な金融引き締めによる景気後退懸念から株式市場は下落しましたが、このインフレを抑えるためには無理やりにでも景気後退に持っていくしかないのではないかと思います。

需要を抑制するために引き締めを行ってもこのインフレは抑えられない。供給サイドの人員不足、賃金高騰、高資源価格といくら需要を抑えようとしてもモノの値段は上昇し続けているのが現状というところです。

FRBとしては今月の0.75%やむなし、とうとう1%も必要では?との声も出てきています。インフレを何としても抑えるために大幅利上げやむなし、景気後退やむなし、失業率の上昇やむなしといった覚悟でしょうが、問題はそのあとです。

景気後退のなかで金利高局面の期間が長くなれば、それは恐慌につながる恐れがあるでしょう。数か月前までは来年春からは金融緩和などという話もでていましたが、よくもそこまで楽観的になれていたものだという感じです。

FRBの舵取りは非常に難しいとは思いますが、今回コロナバブルからの急激な引き締め、と痛みは伴うと理解したうえで、FRBの柔軟な対応は、日本の地蔵と化した日銀との圧倒的な差を感じます。積極的に動くことで、その後の対応もいくつもの選択肢のなかからチョイスできる状況になります。

何もしない日銀は、なにも手段を持つことができず祈るだけのように見えます。